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ハーレムの男たち 779話 ネタバレ 先読み 原作 あらすじ クラインのぬいぐるみの秘密

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779話 ラティルから陛下2を受け取ると、クラインは、それを振り始めました。

◇宝石がない◇

クラインは膨れっ面をして、

これは自分のものではないと

主張するや否や、ラティルは

心の中で悲鳴を上げました。

 

どうして分かったのだろうか。

クラインが陛下2を

とても、よく手入れしていたおかげで

陛下2に古ぼけたところは

全くなく、陛下3の見た目は

陛下2と同じでした。

 

それでも、ラティルは、

知らんぷりをして

どうして、そう思うのかと尋ねると、

クラインは、

再び陛下2を振りながら

ラティルの耳元に持って来ると、

音が聞こえるかと尋ねました。

 

ラティルは、

聞こえないと返事をした後、

どういうことかと尋ねました。

 

クラインは、

だから自分のではない。

ぬいぐるみの中に

宝石を入れておいたからと

答えました。

 

そんな話を聞いていなかった

ラティルは、目を大きく見開いて

クラインを見上げました。

 

クラインの陛下2を持ち上げた時、

内側から宝石の音はしなかったので

ラティルは、

冗談を言っているのではないか。

そんな感じはしなかったと

反論しました。

 

クラインは、

ぬいぐるみを抱きしめた時、

抱き心地が悪くなるといけないので

当然、そういうことを気にして

入れる位置を調整したと

説明しました。

 

それから、クラインの目は

だんだん細くなりました。

ラティルは、彼の視線を避けながら

陛下3をつかみ、

あちこち見回すふりをしました。

しかし、クラインの視線は

執拗にラティルの横顔にくっついて

離れませんでした。

 

結局、耐えきれずに目を合わせると、

クラインは、

自分の陛下2は、どこにあるのか

率直に話して欲しいと頼みました。

ラティルは、

自分も分からないと

消え入りそうな声で答えました。

 

クラインは怒りをこらえるために

後ろを振り向いて深呼吸しました。

ラティルは彼をチラッと見て、

怒っているのかと、

そっと尋ねました。

クラインは「はい!」と答えました。

 

ラティルは陛下3を抱えて

ソファーにしゃがみこみました。

クラインはカーペットの上を

行ったり来たりしましたが、

次第に速度が速くなって行きました。

 

プレラが人形を完全に壊した時、

おそらく、中から

宝石が落ちたのではないか。

だから、ザイシンもタッシールも、

自分も、宝石のことには

気づかなかった。

しかし、だからといって、

クラインの怒りが

収まるわけではありませんでした。

 

ラティルは申し訳なさそうに

彼を呼ぶと、クラインは、

自分の母がくれたものだと

小さな声で呟きました。

「えっ?」と、ラティルは

ぼんやりと聞き返しました。

 

クラインは、

ただ持っていてくれれば

良かったのにと

かすれた声で呟きました。

彼の顔は

悲しみでいっぱいになりました。

 

ラティルの心臓はドキドキして、

危なげに揺れました。

母親の物だなんて、

もしかして遺品のような物なのかと

戸惑っていると、

ぼんやりと立って

床を見下ろしていたクラインは、

申し訳ないけれど、

隠れながら長旅をしたため

少し疲れているので

自分は部屋に行って休むと言って

さっと外に出てしまいました。

 

ラチルは応接間の扉まで

彼について行きましたが

彼を捕まえることができず、

扉枠をつかんで立ち、

遠ざかる後ろ姿だけを見ました。

◇クラインの怒り◇

クラインは。

少しも周りを見回すことなく

速足で廊下を歩きました。

そのため、彼は、

サーナット卿とカルレイン、

哺乳瓶を持ったラナムン、

彼のせいで仕事を台無しにされ

怒っているレアンなどが

通り過ぎたことに

気づきませんでした。

彼は、皇帝が自分のことを

あまり考えていないという考えに

完全に浸っていました。

 

たかが、ぬいぐるみを

預かっておくことさえ

気にしなかった点も

腹が立ちましたが、

より一層、腹が立ったのは、

偽のぬいぐるみを作って

事態をもみ消そうとした点でした。

偽の陛下2は

精巧に作られていたので、

もし陛下2の中に、

母親の宝石を入れておかなかったら、

クラインは、一生、

ぬいぐるみが変わったことも知らずに

生きていた。

その姿を皇帝は、

どれだけ、バカにして見たかと思うと

クラインは、ひどいと思いました。 

◇誰が持って行ったのか◇

ラティルも悔しい思いをしました。

高価な品が、

あちこちに散らばっている

皇帝の部屋の中から、

かわいいぬいぐるみを

勝手に持って行って、

赤ちゃんにあげてしまうなんて

思いも寄りませんでした。

 

犯人は一体誰なのか。

ラティルは心の中で犯人を罵りながら

赤ちゃんの部屋に入って

あちこち床を見回しました。

 

プレラに、

宝石を食べたりしていないか。

もしかして、

丸くてきれいな石を見つけて

転がしながら

遊んだりしていないかと尋ねましたが

皇女はラティルの気持ちも知らず、

ただ楽しそうに笑うだけでした。

確かに、皇女は、

まだ一人でゆりかごから

出ることもできませんでした。

 

ラティルは皇女を片腕で抱き上げ、

もう片方の腕で、

布団の中を探しました。

しかし、ゆりかごの中にも、

布団の中にも、床にも、

カーペットの下にも

宝石は見当たりませんでした。

 

すでに誰かが

持って行ったのだろうか。

ラティルは、

しばらく宝石を探し回った後、

壁際にしゃがんで膝を抱きしめました。

 

クラインは頭が悪いようで

頭がいい。

クラインが怒るのは当然だけれど、

ラティルも、

少し悔しい思いがしました。

よりによって、その時期に、

ザイシンは、

警察部に勾留されていました。

 

自分の部屋に入ることができる人は

本当に限定的なのに、

一体、誰が、勝手に人形を

持って行ったのかと

ラティルは思いました。

◇思惑違い◇

ゲスターは、

ラティルとクラインの間に

何が起こったのか知りませんでした。

彼は屋根に腰をかけて

宮殿を見下ろしながら、

皇帝が楽しそうに

クラインを連れて行った姿を

思い出していました。

その横には、レッサーパンダ2匹と

グリフィンが座って

落花生を食べていました。

 

バカがチャンスを手に入れた。

もうロードは、

バカを可愛がると思う。

バカは人間にしてはきれいだ。

下衆ターは

ロードの目から遠ざかったなど、

横で毛むくじゃら3匹が

ひそひそ話す度に

少し腹が立ちましたが、

ゲスターは返事をしませんでした。

思ったより、

華々しく戻って来たけれど、

馬鹿をここへ連れてきたのは

ゲスターに違いないからでした。

とにかく今重要なのは、

あの馬鹿が2番目の父親を

牽制できるという点でした。

 

その後も、毛むくじゃらたちは、

本当にサーナット卿が

赤ちゃんの父親なのか。

ロードが、

そう言ったのではないのか。

ロードは何も言っていないなどと

話をつづけました。

 

次の日もゲスターは

忍耐心を発揮する準備をしました。

皇帝がクラインを連れて

庭園を散歩しても、

湖畔に皇子を連れて行って

愛を囁いても、

見なかったふりをする準備をしました。

 

ところが、意外にも

皇帝はハーレムに来ませんでした。

だからといって、

クラインが皇帝に会いに

本宮に行くこともありませんでした。

クラインは、

久しぶりに再会した人々と

挨拶を交わし、

湖で釣りばかりしていました。

そうしているうちに

メラディムを釣ったせいで

水をかけられたりもしましたが、

彼の日課に、

皇帝は確かにいませんでした。

 

好奇心を抱いたゲスターは、

それ以後、

クラインを追いかけながら

状況を把握してみました。

数日後、

毛むくじゃらたちに助けられながら

彼は、難なく

前後の事情を把握しました。

 

ぬいぐるみや宝石の話を聞いた

ゲスターは、

クラインとラトラシルの不和は

面白がりましたが、

サーナット卿を牽制するために

連れてきた人が

皇帝と喧嘩ばかりしているのには

呆れました。

 

そして、また数日後、ゲスターは、

未だに陛下2のことで、

よそよそしいラトラシルと

クラインを見物しているうちに、

皇帝の関心を自分に向ける

良い方法を思いつきました。 

◇誰が渡したのか◇

疲れも知らず、

釣り竿に引っかかる度に

水面に上がってくるメラディムは、

憂鬱そうなクラインを見ると、

そのぬいぐるみの何が

そんなに重要なのか。

実に頭の悪い人間だと、

舌打ちしながら小言を言いました。

 

クラインは、

そんなことは、

釣り針を避けてから言えと

文句を言うと、メラディムは、

クラインが自分のことを

頭が悪いと思っているだろうと

言い返しました。

 

いつもなら水をかけて

そのまま行ってしまうメラディムが

今日はずっと声をかけてくるので、

クラインは眉を顰めて

頭を上げました。

そして、クラインは

自分は毎回、同じ場所にいるのだから

メラディムが避けて通ればいいのに

毎回、釣り糸に引っかかって

怒っていると文句を言うと、

メラディムは、にっこり笑って

クラインの額を押さえながら、

自分が思うに、クラインは頭が悪い。

自分が毎回ここを通ることを

知っていながら、

クラインは毎回ここにいると

言い返しました。

 

そして、メラディムは

もっと何か言おうとしましたが、

ゲスターが近づいてくるのを見て

湖に入ってしまいました。

クラインは、メラディムから言われた

曖昧な言葉を解釈することに

夢中だったので、

一歩遅れてゲスターを発見しました。

 

クラインは、

ゲスターを見るや否や眉を顰め、

切り干し大根が何の用だと

冷たく尋ねました。

ゲスターは、自分が

普通の貴族の青年ではないことを

知りながらも、屈することなく、

あのようにしているクラインが、

ある意味、

本当にすごいと思いました。

 

ゲスターは

謝ることがあって来たと告げると

たじろいでいる

クラインのそばに近づいて

うずくまりました。

クラインは、

釣り竿に絡まったメラディムの髪を

取り除きながら、

謝りたいこととは何かと

冷たく尋ねました。

 

ゲスターは、

ぬいぐるみのことで

皇帝を怒らないで欲しいと答えると

クラインの目は、一気に荒々しくなり

ゲスターが壊したのかと

問い詰めました。

 

ゲスターが、

そんなはずがないと答えると、

クラインは、

それなら、なぜ口を出すのかと

怒りました。

 

ゲスターは、

皇帝が壊したわけでもないのに・・と

消え入りそうな声で、のろのろ言うと

クラインは、彼の胸ぐらをつかんで

揺さぶりそうになりました。

 

クラインは、

少し早口で言え。

誰が壊したのか。

誰がそうしたか知っているのかと

尋ねると、ゲスターは

言葉に詰まりました。

クラインが、再び「言え!」と

詰め寄ると、ゲスターは

言ってもいいのかどうかと

躊躇いました。

クラインは、

ゲスターがもたもたしていることに

ムカつき、胸が張り裂けそうになり

息苦しくなりました。

 

クラインは、

話すために来たのか、

それとも、からかうために来たのかと

問い詰めると、ゲスターは

皇女だと答えました。

 

予想外の言葉に、クラインは

釣り糸を落としてしまいました。

 

クラインは、皇女がどうやって

ぬいぐるみを壊したのかと尋ねました。

ゲスターは、

ぬいぐるみが皇女の部屋にあったと

答えました。

 

クラインは口をポカンと開けると

皇帝が皇女に、

自分のぬいぐるみを渡したのかと

尋ねました。

ゲスターは、

皇帝が渡したのではないと答えました。

クラインは、

ぬいぐるみが歩くわけがないので

誰が渡したのかと尋ねました。

ゲスターは当惑した表情で

あちこちに目を動かしました。

クラインは息詰まる思いがし、

彼の胸ぐらをつかんで

揺さぶりたくなりました。

 

しばらくするとゲスターは

小さな声で

「それは・・・」と打ち明けました。

◇ぬいぐるみを移した犯人◇

数日間、あまりに腹が立ち、

本宮の近くに寄り付きもしなかった

クラインが、朝早く訪ねて来て、

皇女が自分のぬいぐるみを壊したのは

本当なのかと尋ねました。

 

執務室に行く前に、

ちょうど皇女の部屋に

寄ろうとしていたラティルは

どうして分かったのだろうかと思い

びっくりしました。

 

ラティルは、

誰から聞いたのかと尋ねました。

クラインは、

やはり、それは本当のようだけれど、

なぜ自分に話してくれなかったのかと

抗議すると、

ラティルは彼の手を握って

赤ちゃんの部屋に入りました。

皇女は、スースー眠っていました。

 

ラティルは、

少し複雑な事情があったし、

誰が壊したとしても、

ぬいぐるみを預かっていたのは

自分だったからと、

誤解が解けたのが嬉しそうに

そっと答えました。

 

クラインは唇を噛み締め、

ラティルを複雑そうに見つめながら

それでも本当のことを

言うべきだったと抗議しました。

しかし、ラティルは

きちんと、ぬいぐるみを

守れなかったのは自分だからと

言い訳をしました。

 

実際、クラインは、

ラティルが陛下3を作って

陛下2に偽ったことにも

腹を立てていました。

しかし、最近になって、

和解したい気持ちが、ますます

強くなっていたところだったので、

これを、その機会にするために

その部分は口にしませんでした。

 

ラティルは、

クラインの怒りが解けて

近づいて来たのが嬉しくて

彼の襟をいじりながら、

誰がクラインに、その話をしたのか。

ザイシンかタッシールかと尋ねると

クラインは、ゲスターだと答えました。

 

なぜ、ここでいきなり

ゲスターが出て来るのか。

彼は、この件について

何の関係もないのにと戸惑っていると

クラインは、ゲスターが

皇女のゆりかごに

ぬいぐるみを持って来たのが誰なのか

教えてくれながら、その話をしたと、

つっけんどんに答えました。

 

ラティルは

一発殴られたような気がしました。

ぬいぐるみが

ゆりかごに移されたことが

この全てのことの発端で、

未だに解けていない謎でした。

 

赤ちゃんのやったことだから

仕方がなかったし、

ザイシンは逮捕されて

ぬいぐるみを取り戻すことができず、

警察部は、

ぬいぐるみがボロボロだったから、

捨てた。

タッシールも、

ぬいぐるみを再現するために

全力を尽くした。

最初に、ぬいぐるみを

ゆりかごに移した犯人を除けば、

皆、それなりの事情があったり

最善を尽くしたりしました。

ラティルがこの件で、

一番大きな責任があると

思っているのは

ぬいぐるみを移した人でした。

それが誰なのか、

ゲスターが知っていたことを

ラティルは訝しみました。

 

ラティルは、ゲスターが、

誰だと言っていたのかと尋ねました。

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陛下2が

ボロボロになったことを知れば

クラインが悲しむと思って、

代わりのぬいぐるみを作ったのに

それが裏目に出てしまった。

先だって、自分とラティルは

深い信頼関係で結ばれていると

ヒュアツィンテに豪語したのに

それが、脆くも崩れ去り

なおさらクラインは

ショックを受けたと思いますが

クラインが聡明ならば、

ラティルが悪気があって

やったのではなく、

クラインのためを思ってやったのだと

気づいてくれると思います。

ラティルが用意したぬいぐるみを

陛下3と呼んでいるくらいですし。

 

ところで、

ぬいぐるみを壊したのは皇女だと

ザイシンが

ラティルに打ち明けたシーンが

あったかな?と思って

探してみましたが・・・

きっと、心を読めるラティルが

ザイシンの心を読んだのだと

思うことにします。

 

それにしても、

相変わらず腹黒のゲスター。

今度は何をするつもりなのか。

でも、ゲスターが

自分に有利になるように

側室たちを蹴落とそうとしても、

ラティルの愛情を一番受けるようには

ならないと思います。

 

メラディムは、フナの頭だから、

いつも、クラインが同じ場所で

釣りをしていても忘れてしまう。

だから、クラインの方が

釣る場所を

変えればいいのでしょうけれど、

きっと、そこは

クラインのお気に入りの場所なので

自分が移動する気は

全くないのでしょう。

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