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問題な王子様 127話 ネタバレ 原作 あらすじ 夫としては最悪なビョルン

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127話 エルナに会いに行ったルイーゼがビョルンを訪ねて来ました。

 

険しい目つきで、

ビョルンを睨んでいたルイーゼは、

大公妃は絶対に

戻って来ないので諦めてと

ようやく口を開きました。

とんでもない発言に

ビョルンは嘲笑しながら

足を組んで座りました。

 

まだ、エルナはすねているのかと、

彼女が戻って来ない理由を聞く

ビョルンの目は、

ゆっくりと応接室を見回した後、

ルイーゼの顔の上で止まりました。

椅子の肘掛けを握った手には

無意識に、

力が込められていました。

 

ルイーゼは、

それなら、こんなことは言わない。

大公妃に心から謝罪したら、

彼女は全て理解して受け入れてくれたと

答えました。

ビョルンの顔からは卑劣な笑みが消え

顔色は氷のように冷たくなりました。

 

ルイーゼは、

ビョルンが1年間一緒に暮らした妻が

どんな人なのか

全く知らないようだと指摘すると、

気の毒な子供に

同情でもするような表情で

ため息をつきました。

 

むしろエルナが怒っていたら

何度でも謝って、彼女を説得し、

彼女の心を取り戻そうとする努力を

することができたので簡単でした。

しかし、エルナは笑い、

心から謝ったことにお礼を言い、

真実を知らないせいで、

そのような誤解をせざるを

得なかった立場を

十分に理解しているので大丈夫。

だからルイーゼも

楽になってほしいと言いました。

そう言うエルナの顔のどこにも

大公妃の席に対する未練は

残っていませんでした。

 

焦ったレオニードが、

大公妃を恋しがっている

シュベリンの雰囲気を説明しましたが

効果はありませんでした。

 

ハーバー家のパーティー

ビョルンが喧嘩をして、

腕を怪我したという知らせには

少し驚いた表情をしましたが、

しばらく考え込んだ後に、

早く回復することを願っていると

適度に心配が滲み出る声で

儀礼的な挨拶を伝えました。

わざと悪く振舞う意志さえない

その超然とした姿を見た瞬間、

ルイーゼは、

夫が好きで、

どうしていいか分からずにいた

純真無垢な王子妃は、

もういないことが分かりました。

 

レオニードとルイーゼが、

これ以上、

何も言うことができなくなると、

重い沈黙が訪れました。

おとなしく座って

彼らを眺めていたエルナは、

メイドに

新しい茶を持って来させました。

一様に落ち着いて優しい態度が

越えられない壁のように感じました。

 

エルナは二人に、

一晩泊まることを勧めましたが、

すでに背を向けることにしたエルナに

そんな世話までされるのは変なので

二人は丁重に断りました。

 

ルイーゼは、感情を排除した口調で、

その空しい旅の結果を伝えました。

だるそうに椅子の背にもたれて

座っていたビョルンは、

暖炉の明かりだけを

じっと凝視しました。

エルナのことを言及する度に

ゆっくり喉が動きました。

 

大公妃は気楽そうに見えた。

離婚を決意したようだと

一番言いたくない言葉を

伝えなければならない瞬間が来ると

ルイーゼの平常心にも

亀裂が入りました。

悪役ではない悪役を

演じることになったルイーゼは

次の予定があって

すぐ王宮に行ったレオニードを

羨ましく思いました。

 

しかし、ビョルンは

じっと閉じていた目を開けると

氷の破片のように冷たい目で、

「離婚?誰が?エルナが?」

と言って、笑い転げました。

 

ルイーゼはビョルンに

もう現実を受け入れるよう

勧めました。

「現実?」と聞き返したビョルンは

ルイーゼがエルナについて

何を知っているのかと

言い返しました。

 

これ以上、我慢できなくなった

ルイーゼはカッとなり、

少なくとも兄よりは

多くのことを知っているようだと

怒りを露わにしました。

 

ルイーゼは

ビョルンの本音が分かりませんでした。

グレディスと

これ以上関わりたくなくて、

相手として扱いやすい女と

再婚したのだろうか?

けれども、そんな理由では、

大公妃が去った後の

ビョルンの醜い行動を

説明することができない。

それなら

本気で愛しているのだろうか。

しかし、それも適当な理由のように

感じられませんでした。

 

ルイーゼは、

それでも、自分と祖母にまで

秘密を守ったのは、

理解してみるけれど、

グレディスのせいで、

そのような誤解と非難を受けて

暮らしていた大公妃まで

騙すことができたのかと言うと、

呆れて失笑しました。

 

妻にも告白しなかった秘密だったと

レオニードは言いましたが、

ルイーゼは信じませんでした。

それでも夫婦なので、

少なくともエルナには

誰も知らないうちに、

話したのではないかと思いました。

しかし、そうではないことを

エルナに確認した時、

とても惨憺たる気持ちになりました。

どうしても、これ以上、

ビョルンの元に戻ってきて欲しいと

お願いできませんでした。

 

ビョルンはルイーゼに

その辺にしておいてと言うと

面倒くさそうにため息をつき

席から立ち上がりました。

その背中を睨みながらルイーゼは、

自分も兄のような夫とは暮らせないと

鬱憤を吐き出しました。

 

足を止めたビョルンは振り向いて

ルイーゼと向き合いました。

彼女は、

ビョルン・ドナイスタは

レチェンの立派な王子かも

しれないけれど、夫としては

最悪だという意味だ。

それを分かっているかと

尋ねました。

じっとルイーゼを見つめていた

ビョルンは「さあ」と返事をすると

眉を顰めて微笑みました。

そして、「そうですか」と

気の抜けた一言を最後に

ビョルンは、

言葉に詰まったルイーゼを残して

悠々と応接間を去って行きました。

壊れそうなくらい、

強く扉が閉まる音がしました。

アレシネ雑貨店に

造花を納品して出て来たリサは、

すぐに郵便局に向かいました。

村の広場には、

年末の連休を過ごす物を売る

露天市場が設けられていて、

きれいな装飾品と

お菓子でいっぱいの屋台が

目を引きましたが、

エルナのお使いを

先に終わらせることが

大事だと思ったリサは、

よそ見をせずに、

人混みの中を横切りました。

 

一緒に来ると言うエルナを

強く引き止めたのはリサでした。

エルナは、軽い風邪に過ぎないと

言いましたが、

なかなか安心できませんでした。

もう健康を

完全にとり戻したという言葉も

信じられないのは同じでした。

だからこそ、任された任務を

さらに完璧に

やり遂げなければならないと

思ったリサは、広場を出ると

真剣な顔で郵便局のドアを開けました。

 

フィツ夫人への手紙を送るために、

すでに何度も郵便局を訪れていましたが

いつもと違うのは、

リサの手紙だけでなく

エルナの手紙もあったことでした。

両方とも宛先はシュベリン宮でした。

 

レオニードとルイーゼが来て以来、

エルナの散歩時間が長くなりました。

頬が真っ赤になるまで

野原を歩いていたら、

結局、風邪を引いてしまいました。

二人が来て説得しても

びくともしないのを見ると、

大公妃の席には戻らないという意思が

確固たるものであることが

明らかでした。

 

ところで、エルナに

一体どんな心境の変化があって

安否を一度も尋ねなかった夫に

手紙を書いたのか、

リサは聞きたくて

口がむずむずしましたが、

ぐっと我慢しました。

その理由が何であれ、

エルナは正しいし、

たとえ彼女が間違っていたとしても

正しいと思いました。

エルナが再び

バーデン家の淑女に戻るなら、

リサも

バーデン家のメイドになるだけでした。

 

リサは、

シュベリン宮のスパイの役割は

もうやめてもいいように思いましたが

まだ大公邸に所属している身でした。

どうせ大公妃の話は、

蟻の涙ほども書かなかったので、

まともにスパイをしているとは

言えない手紙でしたが、

エルナを裏切ることも、

フィツ夫人との約束を

破ることもできなかったリサが見つけた

それなりの妥協策でした。

リサは、一番早い郵便で送ってと

局員に伝えました。

エルナからの手紙を見たビョルンは

この鹿は狂っていると

結論を下しました。

 

せっかく

あの田舎まで訪ねて行った

レオニードとルイーゼには

離婚云々と話しながら、

今更、何をしているのか。

夜逃げをして2ヶ月が経って

ようやく手紙一通を送って来たことが

荒唐無稽で

ビョルンは少し笑いました。

 

フィツ夫人はビョルンに

手紙を開けてみるよう

それとなく勧めましたが、

彼は、その手紙を、

投げるようにテーブルに置くことで

返事をしました。

封筒が重いのを見ると、

よほど長い手紙を書いたようでした。

 

ビョルンはニコニコしながら

妃のことは自分がやるので

乳母は乳母の仕事をするようにと

言いましたが、その瞬間、

ビョルンの目つきは

重く沈んでいました。

 

フィツ夫人は、

ため息をつきながら

リサが送って来た手紙を開きました。

 

ルイーゼ姫が訪れた午後を境に

力の限りイライラした狼が

戻って来ました。

数日間、気分が良かったというのが

嘘のように、

敏感で神経質なビョルンのせいで、

シュベリン宮の使用人たちは

再び綱渡りの日々を送っていました。

こんな時に、

無意味な話に満ちたリサの手紙を

報告するのは、

誰よりも王子をよく知っている

フィツ夫人にとっても、

かなり困った事でした。

 

生まれたばかりの子牛に着せる服を

急いで完成したという話は、

バーデン家では

寒さによく備えていると言い換え、

田舎町の医師や郵便局の事務員など

長々と書いてある部分は

村人たちとも活発に

交友しながら過ごしているようだと

要約して伝えました。

 

それから、

他のいくつかのニュースを伝えた

フィツ夫人が退くと、

ビョルンは葉巻を吸うのに

十分な時間が経ってから

無造作に投げ捨てられた

分厚い封筒に目を留めました。

 

ゆっくりとため息をついたビョルンは

硬直した手で、

その手紙を握りました。

エルナは、今度の手紙にも

「エルナ」としか

書いていませんでした。

 

じっと、その端正な字に触れている

ビョルンの指先が細かく震えました。

歌う鳥のようにさえずる

澄んだ声が浮かび上がりました。

甘い体の匂いが

鼻先をかすめるような気がしました。

「エルナ」と囁くだけで、

いつものように、

愛が籠った瞳いっぱいに彼を見ている

その小さくて柔らかい体が

自分の胸に抱かれてくるような

気がする夜でした。

 

ビョルンは、

その嫌らしい想像を消すように

断固として封筒を開けました。

エルナの手紙が

厚かった理由を知ったビョルンは、

思わずニッコリと笑いました。

離婚届が届きました。

狂った鹿の宣戦布告文でした。

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ビョルンは、

レオニードとルイーゼが

バーデン家に行ったことで、

きっとエルナは戻って来ると

信じていたのでしょうけれど

あえなく撃沈されてしまいました。

 

ルイーゼが口にした

エルナが離婚したがっているという

言葉に動揺し、かつてないほど

イライラしていたけれど、

思いがけず、エルナから手紙が届き

一抹の不安を感じながらも

これは、きっとエルナからの

謝罪の手紙に違いないと

思い込んだのだと思います。

 

すぐに手紙を開けると、

エルナからの手紙を待っていたと

思われそうなので、

わざと手紙を放り出した

天邪鬼なビョルン。

 

しかし、分厚い手紙の中身は

エルナからの謝罪と

愛の言葉などではなく、

まさかの離婚届。

ビョルンの笑いは

期待しては裏切られる自分への

嘲笑なのかなと思いました。

拗ねている。狂った鹿。

ビョルンがエルナのことを

そう思っている以上、

彼女が帰って来る可能性は

ほぼ0だと思います。

 

それにしてもリサは

自他ともに認める役に立たないスパイ。

けれども、元々リサは

エルナの所へ行きたくて

大公邸を辞めようと思ったのに

フィツ夫人が、

スパイを頼んだのだから、

任務に忠実でなくても

仕方がないのかもしれません。

 

いつも、たくさんのコメントを

ありがとうございます😊

明日も、更新します。

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