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問題な王子様 30話 ネタバレ 原作 あらすじ マンガ 23、24話 秘密の告白

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30話 エルナとグレディスにビョルンが近づいて来ました。

 

過去の女性と現在の女性。

はたして、王子は、

どちらの手を取るか。

人々は、ひそひそ話しました。

しかし、相次ぐ非難の視線に

当惑したエルナは、

その事実に気づきませんでした。

大きなミスを犯したようだけれど、

一体、何が問題なのか

知る術がないので

非常に困りました。

 

身分の高い淑女の招待は

断らないのが

社交界の礼儀なのだろうか?

しかし、どんな礼法の本でも

エルナはそんな一節を

見たことがありませんでした。

 

一週間後には去る人が

十日後の集まりに出席すると

嘘の約束をすることこそ、

相手に無礼ではないだろうか。

少なくとも、エルナの知る限り

そうでした。

 

それでは話し方と態度が

不遜だったのだろうか。

まともな理由を言えなかったので

もしかしたら、

そうかもしれないという

気がしました。

しかし、一週間後に、

父親から逃げる予定なので、

演劇を見ることができないとは

言えませんでした。

 

途方に暮れたエルナは、

もう一度謝罪しようとしましたが

それと同時に、濃い影が

頭上に垂れ下がりました。

驚いて顔を上げたエルナは

思わず小さな嘆声を漏らしました。

ビョルン王子がエルナを見下ろして

微笑んでいました。

反射的に後ずさりしましたが、

それより少し早く、ビョルンは

エルナの腕をつかみました。

 

ビョルンは片腕で

エルナを包み込むように抱きながら

グレディスに、

ハルディさんとの話は

もう終わったかと尋ねました。

尋常で礼儀正しい態度でした。

しばらくして、グレディスは

切実な哀願のこもった青紫色の目に

涙を湛えて、苦しそうに

「はい」と返事をしました。

 

離婚を通告した日、

子供のように悲しそうに泣く

グレディスを見下ろしながら、

「泣かないで、お姫様。」と

彼は淡々と命じました。

その程度の恥辱は必要ではないかと

静かに付け加えた言葉に

グレディスは

ようやく泣き止みました。

 

ビョルンは、

あの日、首を絞められたように

喉を鳴らしている妻を

見た瞬間のような目つきで

グレディスを凝視しました。

幸い、同じ記憶を思い出したのか

グレディスは涙を堪えるのに

成功しました。

ビョルンは、

ハルディさんは自分が連れて行くと

丁重に、前夫人に伝えました。

 

エルナは逃げようと

もがいていましたが、

彼は、片腕だけで、

その微弱な抵抗を抑え込みました。

そして、エルナに

「行きましょう」と告げると

ビョルンは、

エルナと向き合いました。

彼女は、びくともしないような

頑固な顔で、彼を見ました。

 

ビョルンは、

余計な意地を張らないでと

エルナの耳元で囁きました。

驚いた貴婦人たちが大騒ぎする声が

この状況が与える面白さを

盛り上げました。

 

エルナは身をすくめて、

自分は、グレディス姫と

話をしているところだと、

囁きました。

 

ビョルンは、

お姫様は考えが違うようだと

返事をすると、目で

グレディスの方を差しました。

彼女は顔を真っ赤にして、

涙を堪えようとしていました。

とても話を続けられるような

姿ではなかったので

エルナは当惑しました。

 

ビョルンは、

行くことが、

今、ハルディさんが選べる

最善の策だと言いました。

そして、鋭い非難と敵意を

示している貴婦人たちに

視線を向けた後、

再びエルナに向き合い、

「そうではないですか?」と

尋ねました。

 

ようやく自分が置かれた状況に

気づいたのか、エルナは目に見えて

動揺し始めました。

このような状況が起こるということを

全く予測できなかったようでした。

 

グレディスは

二人をじっと見つめるだけで、

まだ言葉が出ませんでした。

 

ビョルンはグレディスに

楽しい時間を過ごしてと

丁寧に挨拶すると、

途方に暮れているエルナを

エスコートして

背を向けました。

 

一斉に口をつぐんだ見物人たちは

たじたじと引き下がり、

彼らが通る道を開けてくれました。

 

恋人同士のように

仲睦まじい姿で去っていく

二人の後ろ姿を眺めながら

人々は、現在の女が

圧倒的に勝利したと

結論を下しました。

ビョルンとエルナは、

水路沿いの長い小道を

一緒に歩きました。

ビョルンは、川に面した小道の端で

立ち止まりました。

エルナは、依然として

魂が抜けたような顔をしていました。

 

「ハルディさん」と呼ばれると

エルナは初めて顔を上げて

彼を見ました。

エルナは目を震わせ、

微かに震える声で、

自分はお姫様に

過ちを犯したのだろうかと

慎重に尋ねました。

 

ビョルンは、

何の覚悟もなく

グレディスに立ち向かったのかと

尋ねました。

無防備な純真な女を

じっと見つめていた彼の唇から

呆れた笑いが漏れました。

 

エルナは、

立ち向かうなんて、

そんなはずがないと反論しましたが

ビョルンは、

グレディスを目の前にして、

彼女の招待を断ったようだけれどと

指摘しました。

 

エルナは、

慈善演劇公演の招待を断ったけれど、

絶対に悪気はなかった。

自分は、

そんなことをするわけがないと答えて

眉を顰めると、エルナの瞳は、

さらに濃い青色を帯びました。

 

エルナは、

身分の高い方の招待を断るのは

ここの礼法に反することかと

尋ねました。

ビョルンは、

決められた礼法ではないけれど

グレディスの地位を考えてみると

一種の不文律ではある。

あの姫に背くということは

社交界の全ての淑女を

敵に回すのと同じだからと

答えました。

 

エルナは、

まさか自分の拒絶が、

そのような意味で

受け取られたのだろうかと

尋ねました。

ビョルンは「たぶん」と答えました。

 

切迫した目つきで

彼の言葉に耳を傾けていたエルナは

絶望的なため息をつきながら

頭を下げました。

 

エルナは、

その公演に参加できないので

断りの意思を伝えただけ。

本当だと言いました。

どうにしかして、

自分の潔白を証明したいのか

女は必死でした。

 

その態度に興味をそそられた

ビョルンは、

青白くなった女性の顔を見て

淡々と、その理由を尋ねました。

そして、

姫の招待より優先順位の高い

先約でもあるのかと、

続けて尋ねると、

エルナはグズグズしながら

言葉を濁し、視線を避けました。

 

秘密を守らなければならないことは

よく分かっているけれど、

たった一人にでも

身の潔白を明らかにしたい気持ちも

切実でした。 その一人が

ビョルン王子なので、

なおさらでした。

不愉快だった瞬間もあったけれど、

有難い記憶も、より多い人。

そんな王子に、

無礼で品のない淑女として

記憶されたくない。

それはエルナが守りたい

最小限の自尊心でした。

何よりも彼らの間には

返さなければならない

借金が残っていました。

 

エルナは悩んだ末、

一週間後に

シュベリンを離れるという秘密を

告白しました。

 

むやみに父親を信じて、

されたことを考えれば、

安易過ぎる判断かも

しれませんでしたが

少なくとも、この男が

自分に害を及ぼすことはないと

確信できました。

 

エルナは、

バフォードの家族のそばに

戻ることになったと話すと

しばらく息を殺して

ビョルンを見ました。

細くなった目を除けば、

これといった表情の変化は

ありませんでした。

やや無関心そうな反応が

エルナの最後の警戒心を

消してくれました。

 

エルナは、

そんな自分が十日後の会に

出席すると言えば嘘になるので

そうしたくなかったと話しました。

 

ビョルンは、

グレディスにも

そう言えばよかったのにと

言いました。

エルナは、

そんなことはできないと、

声を低くして囁きながら

周囲を見回しました。

幸い誰も、話を盗み聞きできるほど

近寄らなそうでした。

 

エルナは、

それが秘密だからと答えました。

ビョルンが

「秘密?」と聞き返すと

エルナは「はい」と答えて

小さく頷きました。

そして熟したリンゴのように

頬を真っ赤にして、

できるだけ静かに去る予定なので

必ず秘密を守って欲しいと

頼みました。

ビョルンは失笑しながら

なぜ?

夜逃げでもするつもりなのかと

尋ねると、

エルナはびくっとして

乾いた唾を飲み込みました。

再び周囲を見回す目つきからは、

隠しきれない焦燥感が

滲み出ていました。

 

本当に逃げる決心でもしたような

エルナをじっと見つめていた

ビョルンは、つい声を出して

笑ってしまいました。

父親とグルになって

結婚商売に邁進していると思ったら

本当に世間知らずの

純朴な田舎娘だったようだ。

自分の境遇を悟るや否や

下した結論が「夜逃げ」だなんて、

「純朴だ」と評するには

少し無理があるようだけれど

妖婦でも子鹿でもないのは確か。

何と定義すべきか分からない女が

与えた混乱は、意外にも、

かなり大きな楽しみを伴いました。

 

娘を売って起死回生するという

甘い夢に浸っているハルディ子爵と

美しい商人に目をつけている老人たち。

その寸劇のような売買婚に

かじりつく準備ができた

観衆を考えると、突然世の中が

美しく見えるほどでした。

 

ビョルンは、

しばらく楽しそうに笑いました。

驚いた見物人たちの視線が

注がれるのが感じられましたが、

気にしませんでした。

 

笑いが止まる瞬間まで、

ビョルンの視線は、ただ目の前で

途方に暮れているエルナにだけ

向かっていました。

一見、小心な臆病者のようだけれど

よく見ると、なかなか大胆で

可愛い女でした。

 

ビョルンは、

そんな重大な秘密を、

なぜ自分に打ち明けるのか。

自分がハルディさんの計画を

台無しにしたら

どうするつもりなのかと尋ねました。

 

エルナは、

王子様はそのような方ではないことを

知っているからと答えました。

 

ビョルンは、

自分がそうだと知っているのかと

意地悪く問い返しました。

エルナは、呆れるほど

純真無垢な目つきで彼を見て、

躊躇なく頷きました。

 

盲信が家門の伝統なのかと

嘲笑うような考えをする瞬間にも

ビョルンの視線は

女性の上に留まっていました。

 

大きな帽子の影が

ふと苛立たしく感じた頃、

エルナは悲壮な様子で、

シュベリンを離れても

借金は忘れずに返すと

告げました。

 

すっかり忘れていた

トロフィー代のことを思い出した

ビョルンは、ニッコリ笑いました。

一つの季節分の笑いを

一日で全て使い果たしたような

気がしました。

 

エルナは、

その点は心配しなくても大丈夫。

必ず返すと、

バーデン家の名誉をかけて

もう一度約束すると告げました。

 

またバーデン。 女は、

それが自分の名前であるかのように

振る舞っていました。

馴染みのない名前だけれど

少なくともハルディよりは

高い値段をつけるに値する

名前なので、

ビョルンは快く承諾しました。

 

造花を売って

金の値段を返すという

女性の野心に満ちた計画は、

猛々しい逃走を決心した今でも

有効なようでした。

 

ビョルンが川の方へ顔を向けると

ペアを組むのに成功した

男女を乗せたボートが、

川の上に悠々と浮かんでいました。

勝負の時間。

もう、このゲームを終える時でした。

 

ビョルンは、

余裕を取り戻した顔で

エルナと向き合うと、

その借金をなくすのはどうか。

逃げるのに、借金までして行くのは

とても辛いではないか。

考えてみれば、あの夜のことは

自分の無礼のせいで起こったので

ハルディさんにだけ

責任を転嫁するのは

少し過酷でもある。

もし、アビィト川の夜景を

一緒に楽しむ栄光を自分にくれれば

借金を帳消しにするけれど

どうだろうかと、ビョルンは、

当惑しているエルナに向かって

手を差し出しました。

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ビョルンが王と王妃に

グレディスとの離婚を伝えたのは

出産した当日。

グレディスに離婚を告げたのは、

出産した直後でしょうか?

王太子に男の子が生まれれば

跡継ぎだ、未来の国王だと

皆が大騒ぎするはず。

お祭りムードになってから

離婚を発表すれば、

王室への批判、反感が強くなる。

そうならないようにビョルンは

グレディスの出産後、

迅速に事を進めたのではないかと

思います。

グレディスの出産後

その場に立ち会った人たちに

箝口令を敷き、

子供が生まれたことは

すぐに公にせず、

即座にグレディスに離婚を言い渡し

有無を言わさず、承知させてから、

両親に話した。

また、グレディスの出産前から

男の子が生まれた場合、

女の子が生まれた場合についての対策を

あらかじめ

考えていたのではないかと思いました。

***************

いつも、たくさんのコメントを

ありがとうございます。

皆様にご心配をおかけしましたが

ほぼ体は通常に戻りました。

発熱も2日間だけで済み

良かったです。

皆様の温かいお言葉に

感謝いたします。

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