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問題な王子様 39話 ネタバレ 原作 あらすじ マンガ29、30話 一番完璧な解決方法

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39話 ビョルンは国王に呼ばれました。

 

消えた女が

エルナ・ハルディだったため、

本来ならば下層部で処理する

ありふれた失踪事件が、

警察局まで上がりました。

 

ハルディさんは大公の恋人。

そして、大公は、王太子から

毒キノコに転落したとしても、

依然として

国王陛下が愛する長男。

 

警察局長は、直ちに、

国王が滞在している

シュベリン宮殿に向かいました。

今までの彼の経験によれば、

この種の事件のほとんどは

痴情と関連していました。

もし、その令嬢が

本当に行方不明になったとすれば、

真っ先に疑われるのは、

ビョルン王子という意味でも

ありました。

 

このような重大な事案を

1日遅れて局長室に報告した

愚かな部下たちのことを考えると

頭が割れるように

痛くなりそうでした。

 

共和派が虎視眈々と

王室にかじりつく機会を

狙っている怪しげな時代に、

婦女子失踪事件の容疑者として

王子が捜査されるなんて、

誰よりも忠実な王党派を

自任する警察局長には、

耐え難い恥辱でしたが、

犯罪を擁護することも

できませんでした。

だから彼は、

本格的な捜査が始まる前に

王室がこのことに備えられるよう

最善を尽くしました。

 

幸い王は、その意味を

正確に理解してくれました。

王は、息子が犯罪に

関与したかもしれないと

知らされても、

落ち着いて威厳のある態度を

失いませんでした。

 

警察局長が去ると、王は、

押さえつけてきた怒りを露わにし

今すぐ、ビョルンを呼んでこいと

命令しました。

いつも慈愛に満ちた王の

火のような命令に

王妃も含めて、皆驚きました。

 

急いで連れて来られたような

ビョルンが、

離宮に入ったのは、

その薄氷のような雰囲気が

極に達した頃でした。

国王は、

ビョルンが挨拶を終える前に、

ハルディ家の令嬢が

行方不明になったと聞いたけれど、

この件に関与しているなら

正直に言えと言いました。

あまり驚く気配を見せない息子を見る

フィリップ・デナイスタの目つきが

一層、厳しくなりました。

 

息を整えたビョルンは、

まず国王と王妃に向けて

丁寧な挨拶をした後、

行方不明ではないと

落ち着いて返事をしました。

その言葉に、

国王夫妻は唖然としました。

 

続けて、ビョルンは、

ハルディさんは自分と一緒にいる。

それなりの事情があって、

しばらく助けているだけだ。

すぐに解決する予定なので、

心配しないようにと言いました。

死んだような顔色をしている

2人の前でも、ビョルンは

一様に落ち着いた態度でした。

 

自分と騒々しいスキャンダルを

起こした娘を密かに連れ去り

警察に失踪届まで提出されるような

混乱を引き起こした張本人とは

とても思えない様子でした。

国王と王妃の口から、

同じ種類のため息が漏れました。

 

警察局長の報告を聞いた瞬間、

ビョルンが、

そのような醜悪な犯罪を

犯したはずがないということは、

分かっていましたが、国王は、

ついに、彼の息子が

適正ラインの向こうまで、

その娘を引きずりこみ、

帰る橋を燃やしてしまったことを

心配していました。

 

特ダネを求める記者たちが

うようよする警察署で、

このことが、いつまでも

秘密にされるはずがない。

涎を垂らしている野犬の群れは

喜んでその獲物を食いちぎる。

この全ての危険を冒して

エルナ・ハルディを

連れ去るに値する事情が、

一体、何なのか。そして、

もはや、そのようなことは

重要ではなく、

無情で冷徹極まりないビョルンが、

このような、とんでもないことを

犯したという事実そのものに

王は驚愕していました。

 

呆れたフィリップは、

「解決?」と聞き返すと、

つい、空笑いをしてしまいました。

 

ビョルンがハルディ家の令嬢に、

特別な関心を持っているようだという

王妃の言葉と、

ビョルンが本当に望むなら

2人の結婚を許可したらどうかという

提案に、王は、

全レチェンを騒がせている

スキャンダルを前にして、

まさか、ビョルンが、あんな娘に、

関心を持つわけがないと

一貫した態度を取りました。

 

しかし、自己欺瞞的な信頼は、

もう効力を失いました。

目の前に広がる現実を基にして

下すことができる結論は、王妃が

正しかったということだけでした。

 

王妃が王を呼ぶ優しい声が

絶望に陥っている彼を悟らせました。

彼は、本当にこれが最善なのかと

目で質問すると、妻は

ゆっくりと頷きました。

賢明な王妃であり

慈愛に満ちた母親である姿でした。

そんな彼女が、

最も哀れに思っているビョルンに

害悪を及ぼす決定を下すはずが

ありませんでした。

 

彼はビョルンを理解できず、

ハルディ家の令嬢が

気に入らないけれど、

生涯の良き伴侶である妻だけは

いつも信じていたし、

これからも、そうするはずでした。

 

妻が初めてビョルンと、

ハルディ家の令嬢の結婚の話を

切り出した日、王は、

あの娘が噂とは裏腹に、

いいお嬢さんだということは、

分かったけれど、ハルディ家が

救済不能という事実は変わらないと

物思いに耽った顔で反論しました。

 

じっと彼を見つめていた妻は、

微笑みながら、

あの若い年齢の時にも、

老獪なラルスの国王を

手中に収めて牛耳っていた

陛下の息子が、

まさか愚かで貪欲な貴族1人を

まともに扱えないと思うのかと

聞き返しました。

結局、何も答えられなかった

その夜の会話が、

彼の最後の躊躇を消してくれました。

 

いずれにせよ、

あれほど完璧だったグレディスにも

私的な関心を示したことがなかった

ビョルンの心を動かしたお嬢さんなので

この機会を逃せば、

あの子は、もしかしたら

一生あのように

独りで生きていくかも知れない。

その姿を見るべきか、

不満な嫁を受け入れるべきか。

2つのうち1つを、

選ばなければならないとしたら、

答えはすでに決まっているも

同然でした。

 

フィリップは、

厳しい君主の顔をすると、

ビョルンに

「解決しろ」と命令しました。

ビョルンは、

わけが分からないと言うように

目を細めて彼と向き合うと、

王は、

ビョルンの意思が正しいなら、

ハルディさんのことを許すと

言いました

 

しばらく、

呆然としていたビョルンは

失笑しながら彼を呼びましたが、

困惑している息子を眺める

フィリップの表情は、

いつにも増して冷静で厳粛でした。

 

王は、

空笑いばかりしている息子に向かって

ハルディさんと結婚するように。

今のところ、それが、

一番完璧な解決方法だと、

もう一度力を込めて命じました。

診察を終えた医師が立ち去り、

数日間そばにいて看病してくれた

フィツ夫人も、

王子と一緒に宮殿に帰ると、

タウンハウスに残っているのは

エルナだけでした。

 

しばらく、ぼんやりと

空中を見つめていたエルナは

寝室を歩き始めました。

まだ完全に回復していない体が

ずきずきと痛みましたが、

じっと座っていると、

あまりにも焦りを感じました。

 

とんでもない提案を

断ろうとした瞬間、

王命を聞いたビョルンは

エルナの返事を聞かずに

宮殿に戻りました。

彼は、驚いたエルナを見つめながら

すぐに戻って来るので

待っていてと言って

軽く笑いました。

 

お金をあげるという

侮辱的な言葉を考えると、

すぐにここを離れて、

二度と、あの男に会えない

はるか遠い所へ行きたいと

思いましたが、

「待っていて」という

最後の言葉の残像のせいで

エルナは残忍になれませんでした。

 

侮辱されたからといって、

彼が恩人だという事実が

消えるわけではなく、世界中が

自分を捨てたような気がした

あの冷たくて、とりとめのない夜に

王子は、

救いの手を差し伸べてくれました。

 

雨に濡れた道の上に

座り込んでいた自分に

近づいた彼と目が合い、

羞恥心と安堵感という

相反する感情を同時にもたらした

あの瞬間の記憶は、まだ心の片隅に

鮮明に残っていました。

 

めまいがひどくなり、

これ以上、体を支えられなくなると

エルナは窓際に置かれた椅子に

近づきました。

夕焼けが、

静かに座って街を見下ろすエルナと

しっかり荷造りをした

古いトランクを赤く染めました。

 

帰ってきたビョルンに、

拒絶の意と、

これまでの感謝の言葉を伝えた後に

パーベルを探してみよう。

まだ、パーベルが戻っていないなら

手紙を残した後、

バフォードに戻ればいい。

 

一つ一つ、やることの順番を

決めている間も、

エルナは窓の下に見える街並みを

見ていました。

夜が明けるまで、

警官は来ませんでした。

このまま、

ひたすら待つわけにはいかないと

判断したパーベルは、

2人の老婦人と共に、

急いで警察へ行く準備をしました。

 

バーデン男爵夫人は、

エルナを塵一つより劣る扱いをする

大都市の非情さに、

とても我慢できないと言うと

泣きすぎて腫れた目で

警察の壮大な建物を眺めました。

 

あまりにも多くの事件が起きたせいで

しばらく混乱しているのだろうと

努めて慰めの言葉を伝える

パーベルの顔も、

隠しきれない怒りで硬直していました。

 

パーベルは2人の老婦人を

警察の廊下に置かれている

ベンチに座らせると、

自分が、すぐに行ってくるので、

二人は、必ずここで

待っているようにと

何度も頼みました。

エルナの名前を口にするだけで

涙腺が破裂してしまう二人の老人を

警官の前まで連れて行くのは

どうしても無理のようだからでした。

 

その後、パーベルは、急いで

行方不明事件を担当する部署を

探して駆けつけました。

確かに、何かが間違っているので

すべてのことを打ち明けて

捜査に協力するという決心を

固めていました。

 

しかし、警官は、

エルナ・ハルディ失踪事件は

すでに終結したという

でたらめな言葉で

パーベルの意志を挫きました。

 

そして、

それを信じられないパーベルの前に

警官は捜査日誌を差し出すと、

そのお嬢さんは

行方不明になったのではないと

告げました。

彼の言う通り

家族の勘違いによる

誤った通報と言う理由で

事件は終結していました。

 

それでも信じられないパーベルは

そんなはずはないと

反論しようとしましたが、

別の警官が突然割り込んで来ると

これは、君から聞いていた

貴族のお嬢さんの事件ではないか。

これを見るように。

こうなると思った。

このような事件の10人中9人はこうだと

言うと、片手に握っていた新聞を

机の上に投げながら

クスクス笑いました。

 

その無礼な態度に抗議しようとした

パーベルの言葉を遮ったのは、

新聞の一面に掲載された

「消えたハルディ家の令嬢。

実は大公と同棲中」という

刺激的な見出しでした。

信じられなくて、

何度も読み返しましたが

同じでした。

 

パーベルは驚いて

タブロイド紙を奪い取りました。

低質な記事を一行一行読むにつれ

新聞を握った手の震えが

大きくなって行きました。

 

パーベルが最後の行を読んだ時、

廊下で、

大変だ。 老婦人が倒れたと言う声が

響き渡りました。

 

青ざめたパーベルは新聞を投げ捨て

廊下に走り出ました。

ベンチを何重にも取り囲んでいる

人々の間に入り込むと、

胸をつかんで倒れている

バーデン男爵夫人と

彼女のそばで泣いている

グレベ夫人が見えました。

男爵夫人のそばに、

さきほどパーベルが見た、

あのタブロイド紙

転がっていました。

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王がビョルンに

エルナと結婚しろと言ったのは

王が王妃の言うことを信じたから。

こんなに素敵な理由を

マンガで端折ってしまったのが

本当に残念です。

この時点で、アルセン公爵夫人は

まだ登場していませんが、

あの母親にして、この娘あり。

王妃は母親譲りの、

人を見る目と慈愛に満ちた心を

持っている人なのだと、

改めて感じました。

それなのに、ルイーゼは、

なぜ、あんなに意地悪なのか。

きっとルイーゼは、

父方の家系の血を

色濃く受け継いだのだと思います。

*************************************

いつも、たくさんのコメントを

ありがとうございます。

今回のお話は、

マンガで端折られたシーンが

結構、出て来ているので、

きっと、また皆様の楽しいお話で

盛り上がるだろうと期待しています。

いつも本当にありがとうございます。

 

それでは、次回は明日、更新します。

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