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泣いてみろ、乞うてもいい 36話 ネタバレ 先読み 原作 あらすじ 期待以上の楽しみ

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36話 マティアスは真実を突き止めました。

 

随行員が去った後、

ヘッセンを呼び出したマティアスは

ビル・レマーのお金を盗んだ泥棒は

どうなったかと

小さな笑いを含んだ声で尋ねました。

ヘッセンは、

警官たちが来たけれど、

適当な証拠も目撃者もなく、捜査は

難航しているようだと答えました。

 

マティアスは、

レイラ・ルウェリンの学費についても

尋ねると、ヘッセンは、

払う前に泥棒を捕まえられなかったら

老婦人とブラント家の令嬢と

エトマン博士が、

代わりに学費を出すという意思を

明らかにしたと答えました。

 

やはり、予想と変わらない答えに

マティアスは

再び笑みを浮かべながら

書類を下ろしました。

 

あの朝会った愚かな男と

彼に関する情報を基に、マティアスは

リンダ・エトマンが

策略を練っているという結論を

下しました。

ここまで来たら、息子の結婚を

受け入れると思っていましたが、

彼女の執念は、彼の予想より

はるかに強く、しぶといようでした。

 

もちろん、彼女の気持ちがどうであれ、

マティアスとは関係のないことでした。

面白いのは、何も知らないくせに、

世の中のすべてを知っているような

顔をしている

レイラ・ルウェルリンでした。

もう馬鹿と呼ばなければ

ならないのだろうかと思いました。

 

マティアスの沈黙を、

反対の意味として受け取ったのか

ヘッセンは、

もし、ご主人様の考えが

違うのであれば・・・と

慎重に切り出しました。

しかし、マティアスは

祖母と母の意思を尊重する。

異論はないと返事をしましたが、

その瞬間、マティアスは、

レイラ・ルウェリンの失われた学費を

代わりに払ってくれる人が、

あちこちにいるのを知らないほど、

リンダ・エトマンが愚かではないと

確信しました。

 

お金でチェスの駒は買ったけれど

無駄だっただけで、彼女の計画自体は

かなり体系的で大胆でした。

では、本当の目的は何だろうか?

マティアスは、物思いに耽りました。

学費を隠したところで、

レイラがカイル・エトマンと

大学に行くのを

止められないということを

知りながらも、

あえて騒ぎを起こした理由は

一体、何なのか?

面白いパズルを前にしたような

気分になったマティアスは、

さらに微笑みました。

 

彼はヘッセンに、

エトマン夫人に人を一人付けるよう

穏やかな口調で指示しました。

ヘッセンは、

エトマン夫人とは、まさか主治医の

エトマン博士の妻のことかと尋ねると

マティアスは、

「はい、リンダ・エトマン。

医者の奥さん」と答えました。

その尋常でない答えに、

ヘッセンは当惑しました。

 

マティアスは、

口元に穏やかな笑みを浮かべながら、

エトマン夫人が

レイラ・ルウェリンと別に会うのか。

会うならばどんな話をするのかだけ

報告すればいいと指示しました。

翌日の朝、マティアスが、

ロビーのホールにつながった階段を

降りて来たところへ、警官たちが

今度は小屋ではなく

公爵邸を訪れました。

 

警官たちを率いて来た銀髪の男は

盗難事件のせいで

礼儀を欠いたことを謝罪しました。

 

マティアスは、

ホールの中央で立ち止まり、

彼の後を付いて来た

クロディーヌと使用人たちは

数歩離れた所に止まりました。

 

マティアスに近づいて来たヘッセン

もう一度、

目撃者を探してみたいという

警官の意思を伝えました。

マティアスは、

「はい、いくらでも」と

喜んで頷きました。 

 

一番前に立った警官が

礼儀正しくお礼を言うと、

後ろに立っている若い警官たちも

慌てて頭を下げました。

 

ゆっくりと頭を上げた銀髪の警官は

彼らの横を通り過ぎる

マティアスを呼び止めると、

あの日の朝、領地で

見知らぬ人を目撃していないかと

慎重な態度で質問をしました。

 

マティアスは、

ゆっくりと彼の方を向いて

優雅に微笑むと、

レイラ・ルウェリンのために

できることを考えてみました。

 

破産の危機に瀕した従弟を利用して

息子の結婚を阻止しようとした

エトマン夫人の涙ぐましい努力を

この辺で、

発覚させるのはどうだろうか?

リンダ・エトマンが。

レイラに向けた本当の刃を

まだ現わしていなかったら、

最悪の事態は防げるだろう。

大騒ぎになるだろうけれど、

いずれにせよ収拾されるだろうし、

エトマン博士と

その息子の意思が確固たるものだから

結婚式が行われるだろう。

そこまで行けば、

エトマン夫人も諦めないわけには

いかないだろう。

 

マティアスは、ゆっくりと顔を上げて

シャンデリアの明かりを見ました。

 

一世一代の幸運をつかんだ

レイラ・ルウェリンは

幸せに暮らすだろう。

ラッツで新婚生活を送れば、

エトマン夫人の干渉は

届きにくいだろうし、

医師の息子は

自分の妻を誠心誠意愛して

大事にする夫になるだろう。

その愛の中で、

レイラは、思う存分

好きな勉強ができるだろう。

賢い子だから、もしかしたら

かなりいい学者になれるかもしれない。

 

マティアスは、明かりの向こうの

高い天井に刻まれた紋章に

視線を移しました。

 

もちろん、

少しの煩わしさを甘受すれば、

より良い解決策を

見つけることができました。

リンダ・エトマンがレイラに会う前に

マティアスがリンダ・エトマンに

会うことができました。

すでに、すべての計画が

彼にばれてしまったことを知れば、

彼女は最低限の体面を保つために

静かに収拾する道を選ぶだろう。

それがレイラの傷を

最小限に抑える道だろうと思いました。

 

マティアスは、

再び警官に向き合いました。

彼の沈黙を、警官は、

彼の無礼に対する叱責だと理解したのか

かなり緊張した顔をしていました。

 

レイラの幸せが何なのか

よく知っている。

そして、レイラ・ルウェリンのために

してあげられることは、

マティアスにとって、

ただ指一本を動かす程度の

簡単なことでした。

でも、それで?

バラが咲いても、君がいない季節。

こんなに完璧な

自分の世界に亀裂が生じるのに、

君の幸せが、一体、

自分の何だというのか?

 

マティアスは警官を直視しながら

見ていないと返事をしました。

警官はもちろん、

見守っていた使用人たちも

ようやく安堵の表情を浮かべました。

 

警官は、公爵が寛大な心で

理解してくれたことに

お礼を言いました。

そして、もしかしたら

見たのではないかと思い、

公爵に質問するという

礼を欠いた振る舞いをしたことを

謝りました。

マティアスは微笑みながら頷きました。

 

彼はその態度に勇気づけられたのか

マティアスの後ろに立っている

クロディーヌにも同じ質問をしました。

彼女は特に悩むことなく

「いいえ」と答え、

しばらくマティアスを見た後、

自分にも役に立てる情報はないと言って

ニッコリしました。

 

警官は、

使用人たちを調べるために立ち去り

マティアスは、

玄関の外で待機中の車に

乗り込みました。

 

クロディーヌは、

午後、一緒にお茶を飲んだ後、

リエットと合流して夕食を取るという

約束を忘れていないですよねと

マティアスに優しく確認しました。

もちろん覚えているという

マティアスの返事に、クロディーヌは

満足そうな笑みを浮かべました。

 

マティアスを乗せた車は

すぐに邸宅を離れました。

領地の入口を外れた車が

主治医の家のある街角を通る頃、

マティアスは、窓の外を見ながら

リンダ・エトマンが期待以上の楽しみを

与えてくれることを願いました。

些細な助けと、

事の成り行きを窺いみる代価として、

その程度は、当然享受しなければ

ならないようだからでした。

リンダ・エトマンは

上品な薄紫色のドレスを着て、

化粧は薄く、帽子は

上品で地味なものを選びました。

派手であってはならないけれど

みすぼらしく見えても

困る場所でした。

 

その後、エトマン夫人は

歩いて小屋まで行くと、レイラに会い

人目を引かない場所で

会う約束をしました。

 

それから、エトマン夫人は

停留所で駅馬車を待ちながら、

しばらく悩みに耽りました。

しかし、

すでに始まったことでした。

 

戻る道がないので、

ただ前に進むしかない。

カイルのためだ。

 

気を引き締めている間に

駅馬車が到着しました。

エトマン夫人は、

静かにため息をつきながら

馬車に乗り込みました。

たとえ、それが、彼女を悪者に

転落させることであっても

カイルのためなら、

何でもできました。

エトマン夫人が教えてくれた

ティールームは、繁華街から

多少離れた所にありました。

 

約束の時間より早く

そこに到着したレイラは、

窓際の席に座って

エトマン夫人を待ちました。

 

色あせた日除けや

お茶の染みが消えない

テーブルクロスなど、

全くエトマン夫人の好みとは

合わないような、

このティールームを、

なぜ、彼女は選んだのか、

何が何だか分かりませんでしたが

レイラは、むやみに

推測しないことにしました。

考えれば考えるほど

不安と焦りが募るからでした。

 

泥棒のせいで疲れている心に

余計な心配をかけたくない。

落ち着いた所で、

二人きりで話をしようという

意味だろう。

どうしたって、

話し合わなければならないことが

多いだろうからと考えていると

チャイムの音が鳴りました。

 

レイラは、

当然、エトマン夫人だと思って

立ち上がりましたが、

ティールームに入って来たのは

若い紳士でした。

 

きちんとしたスーツを着て

中折れ帽をかぶった彼は、

斜めの方向に置かれた

テーブルに座って新聞を開きました。

 

レイラは再び席に座ると、

テーブルクロスに付いている

茶のシミを、

ぼんやりと眺めました。

 

今日も警察に行って来たけれど、

変わったことは

何もありませんでした。

証人もいないし、

証拠も残っていないので、

泥棒を捕まえるのは

難しいかもしれないと言われました。

 

レイラを気の毒に思った

ある警官は、

無駄な希望にしがみつくよりは、

学費を貸してくれる人を

一日も早く探したほうがいいだろうと

耳打ちしました。

 

そうしなければ

ならないのだろうか。

エトマン博士はもちろん、

公爵家の老婦人とクロディーヌまで

学費を肩代わりするという意思を

明らかにしてくれました。

 

今朝は、モナ夫人がやって来て、

泥棒を捕まえられなければ、

アルビスの使用人たちが

お金を募金して

学費を用意することに同意したので

心配しないでと

優しくレイラとビルを

慰めてくれました。

その全てが、本当にありがたくて、

それで、レイラは、

さらに心が重くなりました。

 

大きな心配が

ため息になって漏れる頃、

再びチャイムが鳴りました。

レイラは、

再び反射的に立ち上がって

振り向くと、微かに微笑んで

ドアの前に立っている

エトマン夫人に挨拶をしました。

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クロディーヌは、

金貨をあげた時のように、

レイラを自分の前に

跪かせたいという願望があって

学費を肩代わりすると

言っているのかもしれませんが、

それでも、

レイラを助けようとしているのは

間違いありません。

老婦人もアルビスの使用人たちも

レイラのためを思って、

学費を出してくれようとしているのに

一体、マティアスは何なの!(怒)

バラが咲いてもレイラがいなければ

自分の世界に亀裂が生じるなんて

自分勝手もはなはだしい。

 

でも、きっとマティアスも

ビョルンのように、少しずつ、

自分の気持ちに気づいて

素直になって、いつか、

レイラを幸せにしてくれると信じて

ひたすら暗い展開に

耐えようと思います。

 

ところで、リンダは

カイルのためとか言っているけれど

彼女がやっていることは

カイルを傷つけているだけ。

リンダは、息子のためではなく

自分のために、

レイラとカイルの間を

引き裂こうとしているのだと思います。

 

ティールームに入って来た若い紳士は

きっと、マティアスの命令で

リンダを見張っている人ですよね。

せめて、マティアスは、

レイラに酷いことをした償いに

リンダに目に物見せて欲しいです。

***********************************

いつも心のこもったコメントを

ありがとうございます。

 

ぺこちゃん様

マンガ再開について

告知していただき

ありがとうございます。

いよいよ、明日ですね。

一挙に8話公開。

韓国版で、一度読んでいますが

とても楽しみです。

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